サヤが上に向いて伸びることから「空豆」、あるいはサヤがカイコの形に似ていることから「蚕豆」という漢字が使われる空豆。古代文明時代から、エジプト、ギリシアやローマ、中国で食されてきた最古の野菜のひとつです。出回る時期は短く、桜の咲く2ヶ月後がその土地での旬だそう。鮮度が落ちやすいので、調理する直前までサヤから出さないのが、独特の甘味や香りを味わうコツです。
爽やかなグリーンの
空豆がおいしい季節に
なってきました。
「パリの空豆」
先日訪れたパリのマルシェは
ちょうど春の野菜が出回りはじめ
フレッシュな色があふれていました。
いっしょに買い物に出かけた
デザイナーで料理好きの友人エルベは
目を輝かせて今夜の食材選びに夢中です。
彼はお年ごろの娘を持つお父さんで、
愛娘をよろこばせるために
おいしく美しい料理を作るのが大好きなのです。
「やわらかで香りがよくて
この鮮やかなグリーンがなんともいえないよね!」
といって手にしたのは長—いサヤにおさまった空豆。
日本の空豆はひとつのサヤに3つくらいですが、
フランスのはずらりと6つくらい豆が入っているから
その分サヤが立派なのです。
フランス人らしく豪快にキロ単位で買って帰ると、
きょうは何を作るの?
と、娘が嬉しそうに買い物カゴを覗きこんできました。
そして親子仲よく空豆の下ごしらえ。
おしゃべりしながら豆をサヤから取り出します。
きょうのメインはサーモンのソテー
バルサミコ風味。
そこにさっと塩茹でした空豆を添えるのです。
黒い皿に盛られたサーモンのオレンジ色と
空豆のグリーンがなんと華やかなこと!
料理はとてもシンプルだけど
旬の野菜は味も香りも強いので
付け合わせにしても主役級のおいしさです。
しかしなんといっても
エルベの手料理の極上スパイスは愛情かな。

◎材料(4人分)
- むきえび
- 200g
- 空豆(サヤつきで)
- 600g
- コンソメスープの素(顆粒)
- 小さじ1/2
塩/サラダ油/こしょう
えびと空豆の炒めもの
プリッとしたえびと、ほくほくの空豆の歯ごたえの違いを楽しんで。
彩りもよく、食欲をそそります。
◎作り方
1
むきえびは竹串で背わたを取る。空豆はサヤからはずし、塩少々をふって手でもむ。たっぷりの湯でさっとゆでてざるに上げ、粗熱を取って皮をむく。
2
フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、えびを炒める。色が変わったら空豆を炒め合わせ、スープの素小さじ1/2と塩、こしょう各少々で調味して、器に盛る。
[撮影:山田 広幸 料理:樋口 秀子 作品提供/オレンジページフォト]





