日本の象徴、富士山。その優美な姿を、古くから日本人は愛してきました。また、さまざまないのちが息づく富士山の森は学術的にも注目されています。そんな富士山を有する静岡県が、この山の理解を深めてもらうために制定したのが富士山の日。もうひとつの“富士山県”である山梨県とともに制定した「富士山憲章」には、その美しさを後世に伝えていくことが謳われています。
二月二十三日は、
「ふ(2)じ(2)さん(3)」の日。
日本のシンボルである富士山に、
改めて思いを寄せてみませんか?
「富士山とエッフェル塔」
パリに滞在していたときのこと。
友人を介して素敵なおばあちゃんと出会い
夕食に招待してもらいました。
「うちは小さな部屋だけど、
とても気に入っているのよ。
そのヒミツは来てからのお楽しみね!」
そして時間を気にしないフランス人らしからぬことに
「この時間にはきっと来てちょうだい!」
と念を押したのです。
そんなわけで時間きっかりにチャイムを鳴らしました。
「ボンソワ!いいタイミングね。
さあ窓辺の特等席へどうぞ!」
導かれるまま期待を胸に窓辺へと進むと、
そこから見えたのは古びた屋根ばかり……。
特等席??と思ったそのとき、
目のはじにピカッと光るものが!
暮れかけたピンク色の空のした、
小指の先ほどの小さなエッフェル塔が
パチパチキラキラと金色に輝きだしたのです。
しばしその美しさに見とれながら
私のアタマに浮かんだのは富士山でした。
やはり同じ夕暮れ時、電車の窓を眺めていると
オレンジ色に染まった空の向こうに
その光を背負ってふと現れる小さな富士山の影。
派手さはないけれど、その美しさは圧倒的です。
フランスの華やかなエッフェル塔と、
日本の潔く端正な富士山。
その美しさは対象的だけれど、どちらも
日常をふと俯瞰させてくれるような光を感じます。
あれから夕暮れ空に富士山を見つけると私は
パリジェンヌのおばあちゃんと
小さな塔のことをふいに思い出すのです。




