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地釜とうふ

金麦セレクション

金麦セレクション 全国各地にある名産品の数々。毎日の生活を豊かにしてくれる逸品を、その地の歴史と風土を交えて紹介します。

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「大豆に宿る命を豆腐につなげていく。美味しい豆腐作りには大豆との対話が必要なんです」

  • ハレの日の食べ物

    しょうゆに味噌、納豆に油あげと、私たち日本人の食生活には当たり前のように「大豆」を主原料とした調味料や加工品があります。ビール類のおつまみとして定番の枝豆も、実は未成熟の大豆を収穫したもの。今回はそんな大豆を使った加工品のなかから、たんぱく質の供給源として古くから親しまれてきた豆腐にスポットをあててみましょう。

  • 和歌山県の南紀白浜空港から60kmほどのところにある、田辺市龍神村にやってきました。ここは弘法大師が難陀龍王のお告げによって開いたといわれる「龍神温泉」が有名で、龍神村という名前もそこから付けられました。そしてこのあたりの旧家には、豆腐作りに欠かせない石臼や型枠などが残っているほど、豆腐作りが盛んな地域だったのです。

  • 「かつては正月やお盆といった人が集まる時期に、当たり前のように豆腐が作られていたんです。つまり豆腐はハレの日の食べ物だったんですね」。そう話すのは、龍神地釜とうふ工房るあんの代表、小澤 聖(きよし)さん。龍神に移り住んでから地元のおばあちゃんたちが口々に話す「龍神の豆腐」に興味を持ち、ほぼ独学で豆腐作りをスタートさせたのです。

  • 「手探りな部分も多く失敗の繰り返しでした。すべての工程において悩みましたね(笑)」。ちゃんとした商品になるまでにかかった時間はなんと3年。「『失敗してもいいから、とにかく持っておいで。買い取ってあげるから』と応援してくれる方もいて本当に助けられました。龍神村の懐の深さがあってこその豆腐作りだったんです」。

  • 薪だからこそ出せる旨み

    小澤さんの豆腐作りは午前1時にスタート。前日から水に漬けこんでおいた大豆をすり潰すところから始まります。「大豆は一般的な豆腐の2~2.5倍使い、夏は6~10時間、冬は30時間、水に漬けます。漬ける時間は気温、湿度、豆の状態によっても変わってくるんですよ」。水に漬けすぎることを「豆がおぼれる」という表現をした小澤さん。豆腐作りへの愛情が垣間見えた瞬間でした。

  • すり潰された大豆は生呉きごと呼ばれ、沸騰したお湯が入った大きな釜の中へと入れられます。豆腐を炊くための薪は、ミズナラ、樫、梅といった広葉樹のみというのも小澤さんのこだわり。「火の立ちあがりがよく火持ちもいいんです」。部屋中には大豆の甘い香りがほんのりと漂ってきました。

  • 一般的な豆腐は炊いている最中の泡立ちを抑えて焦げにくくするために、消泡剤という添加剤が使用されますが、小澤さんは薪の火力だけでそれをコントロールするそう。「かつては消泡剤の変わりにぬかを入れていましたが、今ではそれすら使っていないんです」と小澤さん。これもまた、大豆の旨みを最大限引き出すための工夫なのです。

  • 「薪のメリット。それは強い火力と、遠赤外線が引き出す香りと甘みにあります。いま、地釜と薪を使って豆腐を作っているところは、僕の知る限り全国で数えるほどしかありません」。蒸らしを終えて泡が引いたら木綿の袋に炊いた生呉を流し込み、豆乳を専用のプレス機で絞り出します。

  • 地元の人に愛される豆腐へ

    なめらかなクリーム色をした豆乳は、程良い温度まで冷やされます。「およそ74℃。低すぎても高すぎてもダメ。豆腐として固まらないばかりか、味にも影響してくるんです」。そこに海水から塩を作る際にできる「にがり」を混ぜると、またたく間に豆乳はプリン状になりました。大豆はもちろん、このにがりも国産のものだけを使っています。

  • 固まった豆腐を木枠に流し込んだあと、しばらく時間を置いてから包丁で切り分けられます。「水にさらすのは切り分けるときだけ。水の中に豆腐の旨みが逃げてしまうんです。これが龍神豆腐の特徴でもありますね」。最後に専用の袋に豆腐を詰めて氷で冷やしたら、地釜とうふの完成です。終始、真剣だった小澤さんも、ようやくここで安堵の表情を見せるのでした。

  • 手間暇かけて作った豆腐は、工房に併設された土日限定の「るあんカフェ」で食べることもできます。そのほか、とうふ入りチーズケーキやとうふのキッシュ、有機大豆コーヒーなど、ここでしか味わえないメニューもたくさん。ちなみにるあんという屋号は、小澤さんがかつて滞在していたタイに関係しているのだとか。「るあんはタイ語で幸せの象徴である『黄色』を意味するんです。なにより黄色は大豆の色でもありますからね」。

  • 豆腐とは思えないほどのなめらかさと、口の中いっぱいに広がっていく大豆の風味。そして、しばらくたっても消えない豆腐の余韻もまた地釜とうふの大きな特徴。「地元の人には『あの味が蘇ったね』とお褒めの言葉を頂きました。豆腐作りをはじめて10年が経ちますが、これからも伝統と未来の懸け橋を続けていきたいですね」。小澤さんの豆腐作りへの探求に終わりはありません。

 

真心と愛情たっぷりの地釜とうふ

国産の大豆のみを使用した「るあん」の地釜とうふは、薪の火と釜のみという龍神村に伝わる昔ながらの製法にこだわって作られました。食卓を彩る一品として、ビール類のおつまみとして。大豆の美味しさが凝縮された地釜とうふは、様々な場面で活躍してくれることでしょう。

<お取り寄せ連絡先>
〒645-0521 和歌山県田辺市龍神村小又川259
TEL&FAX 0739-79-0637

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