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塩海苔(しおのり)有明の風

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金麦セレクション 全国各地にある名産品の数々。毎日の生活を豊かにしてくれる逸品を、その地の歴史と風土を交えて紹介します。

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「海の農業とも言える海苔作りは自然との共生が必要不可欠なんです」

  • 日本一の生産量を誇る有明海へ

    ご飯やおにぎりのお供として、日本家庭でごく日常的に食べられている海苔。サクッという食感とともに広がる旨みは、白米の美味しさをグッと引き立ててくれます。気が付けば海苔だけでご飯1膳をたいらげてしまったという人も多いのではないでしょうか。今回はそんな海苔の名産地、佐賀県に足を運んできました。

  • 海苔の養殖は全国各地で行われていますが、中でも佐賀県の有明海は国内の生産量約25%を占める名産地でもあるのです。しかし、有明海は日本最大の干満の差があり、さらに100以上もの河川の流入によって形成された干潟ひがた(砂泥底)でもあります。ここで一体どのようにして美味しい海苔が作られているのでしょうか。

  • お話を伺ったのは海苔一筋39年、有明の風の代表、東島吉孝ひがしじまよしたかさん。「海苔作りは海の農業なんです」と話す東島さんの思いは「安全で美味しい海苔をたくさんの人に届けたい」と至ってシンプル。けれど、話を聞いていくうちに海苔作りへのこだわりと愛情が垣間見えてくるのでした。

  • 東島さんが最初に連れて行ってくれたのが培養所と言われる施設。海苔の胞子をカキの殻に付け、糸状帯と呼ばれる状態にまで育てているのです。「ここが海苔作りの原点とも言えるところ。水温が30度を超すと胞子は死んでしまうんです」。東島さんはずらりと吊り下げられたカキ殻を見ながら少し緊迫した面持ちでそう話してくれました。作業は3月末から9月一杯まで。長期間に渡りシビアな管理が必要とされるのです。

  • 豊かな海が海苔を育てる

    そうして大切に育てられた海苔の種は、カキ殻に付けられたまま有明海上に張られた網に結ばれます。ここからが海苔作りの第2章、農業でいうところの種まきです。ちなみにその網は通称「タケ」と呼ばれているポールに張られているのですが、ポールを海上に立てるのはすべて人の手によるもの。天高くそびえる様は、まるで戦国時代の武将が持つ槍のように威風堂々としています。

  • 「ここから2週間がキモなんです」と東島さん。1日に2回、太陽に当てるために網を細かく上げ下げする「干出かんしゅつ」と呼ばれる作業で成長をコントロールするのです。手を抜けば海苔が間延びしてしまい、味に深みがなくなるのだとか。このときの状態を人間でいうならば赤ん坊。この時期ばかりは「毎日の天気が気がかりでしょうがない」と東島さんは言います。

  • 有明海の干満の差は実に6m。美味しい海苔作りの秘密はここにもありました。「ある程度成長した海苔は、この干満の差によって太陽を浴びたり、海面に浸かったりを自然と繰り返しています。こうすることで病原菌や他の海藻の胞子がいなくなり、丈夫な海苔が育つのです」。

  • 有明海で美味しい海苔が作られるのは、干満の差ともうひとつ、塩田川、六角川、矢部川などの大きな川の流入にもあります。合計100以上を超える河川が、有明海に養分いっぱいの水と土砂を運びこんでくるのです。ムツゴロウを始めとする絶滅危惧種が、有明海に多く生息していることもまた、海が豊かであることを表しているのです。

  • 出荷されるのは初摘みの海苔だけ

    網にカキ殻を結んでから1カ月が経過したころ、ようやく海苔の収穫時期がやってきます。お茶の葉と同じように成長した芽を摘むのですが、「有明の風」の商品になるのは一番初めに摘んだもののみ。通常、10回程度は収穫ができるのですが、回を重ねるごとに固くなってしまうから。「自分が思い描いた海苔ができたときが、一番うれしい」と東島さん。まるで少年のような笑顔です。

  • 収穫した海苔は巨大なタンクへ移され、ゴミをとってミンチにしたあと真水で洗います。さらに脱水や乾燥など幾多の作業を経て、ようやく完成に近付いていくのですが「この時期は特に忙しい」と東島さん。鮮度を少しでも保つべく、作業は24時間、寝る間も惜しんで続けられるのです。

  • キレイにカットされた海苔は最終仕上げに入ります。焼きの作業と共にうっすらと油がひかれ塩がわずかに乗せられていきます。「油はなたね油、塩は沖縄の石垣産。これまで色んなものを試したのですが、この組み合わせがもっともクセがなく、海苔の旨みを引き立ててくれるのです」。カットや包装などの作業を終えると、ようやく塩海苔の完成です。

  • 普段何気なく食べている海苔ですが、ここまでの手間暇がかけられているとは正直思いませんでした。早速出来たてをいただくと、サクッという心地よい音とともに、海苔の香りがほんのりと口の中に広がっていきます。そして、海苔作りにかけた時間とは裏腹に、あっという間に滑らかに溶けるのが印象的。「こんな海苔、初めてです」と声をかけたら「ありがとう」と言いながら東島さんはにっこりと微笑んでくれました。

 

有明海が育んだ愛情たっぷりの海苔

今や少なくなった干出かんしゅつとよばれる製法で作られた有明の風の「塩海苔」。海苔の風味はもちろんですが、口に入れた途端にスッと溶けていく舌触りが特徴です。ご飯に巻いて食べてもいいですし、海苔だけでも美味しくいただけます。

<お取り寄せ連絡先>
〒840-0037 佐賀県佐賀市西与賀町大字相応津115
TEL 0952-23-8779 Fax 0952-20-2801
http://www13.plala.or.jp/hizen-nori

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